先日、弊社顧客よりハトメ作業のご相談を頂きました。
思い返すと、何年ぶりの作業でしょうか。
久々の作業には少し戸惑いを覚えましたが、取り掛かることにしました。
プリント基板におけるハトメ作業は、一般的な靴やカバンのハトメとは異なり、『電気ハトメ』とも呼ばれる特殊な加工です。
基板の表面と裏面を導通させる目的で使用され、直径1~2mmの小型なハトメが一般的です。

最近では表裏の導通を目的にするだけであれば、スルホールメッキの方がコストが低くなるので、ハトメ作業を依頼されることはありません。
なのでハトメに使用する機械自体も倉庫の奥の方へしまい込んでいました。
今回のご依頼品でハトメを使用する目的は不明ですが、接続部の強度アップなど導通以外の目的で必要になった物と思われます。

まずは機械を引っ張り出して、動作確認から。
動作させると、メンテナンスが必要で、スムーズに動かない状況でした。
やはり、長年の放置が機械の動作に影響を与えていたようです。
それでも各部の清掃・調整を行うことで、無事に動くようになり、作業を開始しました。

作業を始めた頃は、久しぶりと言う事もありゆっくりとした感じで作業をしていましたが、段々と機械も作業者も調子が上がり、作業ペースも徐々に向上し無事に完成・納品が出来ました。

基板全体に導通穴が必要であれば、スルホールメッキの方が圧倒的に安価に作れます。
しかし中には500mm×400mmのワークに導通穴が数個のみの基板も存在すると思います。
特定の条件下のみになるとは思いますが、ハトメ加工がコスト面で効果的な場合もあります。
ご相談いただければ、最適な加工方法をご提案します。